“理学療法士”という仕事を知っていますか?
私の周りには“臨床心理士”と同じようにカウンセリング的なお仕事をするものと思われている人が多かったのですが、不正解。
正解は、怪我や病気をされた方のリハビリを専門に行う仕事。同じリハビリの仕事には、“作業療法士”。“言語聴覚士”といったものがありますが、理学療法士はそのうち“起き上がる”“歩く”といった、人が生活する上で本当の基礎になる部分に特化したリハビリを仕事にしています。
まだ知名度は高くないですが、もしもの時の生活復帰を最前線で支援してくれる大切な仕事。
県内の某病院で理学療法士として勤める玉置さんも、ふとしたきっかけでこの分野に入り、その仕事に魅せられた一人です。
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玉置(Tamaki)
1990年 和歌山市生まれ
和歌山市内の病院で理学療法士として働く。
休日は、学生時代からやっているテニスを、地元チームや職場のクラブ活動の中で楽しむ。
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この仕事を知ったきっかけは高校時代の先輩のひとこと。
「理学療法士ってリハビリを専門にする仕事があって、スポーツ選手を診れることもあるよ。」
学生時代、好きな科目は数学に生物の理系男子、その上自身もテニスをずっとやってきたことから、「理系分野でスポーツにも関われる!」と、そのまま専門学校に進むことに。
職場で研修生を受け入れることがあって、その時に「どうしてこの仕事を選んだの?」 ってよく聞いてみるんですけど、「自分がスポーツで怪我をした時に助けてもらい、格好良かった。自分もこんな仕事をしたい。」って話してくれる子が多くて…。
今思うと、随分安直だったな、って(笑)
ただ、そんな玉置さんにも転機が訪れる。きっかけは、専門学校生時代、自身の家族の入院でした。
人工呼吸器をつけ眠る家族をケアしにやってきた理学療法士が、玉置さんに言ったそうです。「君も理学療法士の勉強をしているんだって?」と。
その方も何人か研修生を連れてきていたんですけど、ずっと僕の方を見て、「今、苦しそうだけど、ここをちょっと角度を変えると…ほら、数値も変わったし、痰も出やすくなったよ。」って、ひとつひとつ教えてくれて…。
その時が実地で患者さんへのケアを教わるのが初めてだったのかな。理学療法を受けたことで少し安らいだ家族の顔を見て感動しちゃって…。
この人みたいな仕事がしたいな、って本気で思うようになりました。
専門学校を卒業した後は、和歌山市内の病院に縁あり働くことに。
リハビリテーション科というところは、医師からの処方があってはじめて動き出せる仕事。
ただ、その仕事の裁量のなかで自分に何ができるのかを常に考えて動くことを心がけているそう。
同じ寝たきりの患者さんでも、その症状は人それぞれ。単に、「起き上がらせる」というだけではなく、それぞれの症状に応じて、どういうサポートをするのがよいのか。今の症状の軽減と併せて、今後のその人の回復にまで目を向けていくことが必要。そのためには、単に理学療法士としての知識に加え、様々な症状に関する知識も必要になります。
玉置さんも自身のスキルアップのため、放送大学に通われたり、資格試験を受けたりしています。
そんな玉置さんが、今後より深めていきたいと考えているのが急性期の患者さんに対する理学療法。学生時代、実際に体験させてもらった様な患者さんを対象にするものです。 ICU(集中治療室)に入っている患者さんへの理学療法も最近では多いんです。
僕たちの仕事内容って、まだまだ病院内でも周知されていないものなんです。 僕自身の技術もまだまだなので、先頭に立って理学療法のアピールを出来ていないのが現状です。
ドクターや看護師さんに向かって、僕たちはこんな事が出来るんだ!と自信を持って言えるようになりたいですね。
そんな病院内部の意識改革と併せて、玉置さん自身ももっと変わっていきたいと考えています。
働き始めて今年で5年目になりますが、まだ「自分がこういう処方をしたから、患者さんはこう変わった」って自身を持って言い切れなくって…。
もっと自分自身のスキルも上げていきたい。
将来は、「自分は呼吸理学療法に携わってます」と自信を持っていえるような理学療法士になっていきたいですね。
玉置さん自身、何か自分なりのスキルを持てる仕事をしていたいともともと思っていたそうです。
そんなスキルを持ち、伸ばしていくのと併せて、そのスキルが活きる場所を自ら作っていきたいという姿勢は、病院という会社に似た組織で働いているとは感じさせない動きだと感じられました。
誰もが将来通過する可能性のある急性期の怪我や病気の中で、玉置さんのめざす分野が広がっていけば、私達自身の将来も何か変えてくれるかもしれないですね。
Categories: 若者インタビュー
はじめまして
理学療法士さんには僕も大変お世話になりました。
僕は人工透析をしていましたので、その時に理学療法士さんには大変お世話になりました。
また、苦しい苦しい、人工呼吸器を長い間つけている時にも、お世話になりました。
忙しくて大変そうなお仕事ですが、明るくてにこやかにきびきびと仕事をされている姿にいつも元気と勇気をもらっていました。
ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いします。